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「感染と非難、二重の恐怖に」 分科会で差別対策を議論

新型コロナウイルスの感染者や医療従事者への差別や偏見をどうすればなくせるかについて、政府のコロナ対策分科会のワーキンググループが1日、初の会合を開き、議論を始めた。感染の拡大防止とプライバシーの保護を両立させる情報公開のあり方や、国や自治体、教育機関の課題を探り、11月に提言をまとめる。

　会合では差別の現状について、連合に寄せられた相談や三重県が把握した事例の報告があった。差別を禁じる条例など、自治体の取り組みも紹介された。

　委員からは「（人口の少ない地域では）感染の拡大防止に資する範囲を超え、感染者が住む町村名など詳細な情報が公表されたことが個人の特定につながり、差別の要因になっている」といった指摘があり、今後議論するという。

　座長の中山ひとみ弁護士は「感染者や家族に対する偏見や差別が横行すると、市民は感染の恐怖だけでなく、感染したことを非難されるという二重の恐怖にさらされる」と指摘し、対策の重要性を強調した。

　今後は日本新聞協会や日本民間放送連盟、セーファーインターネット協会、医療機関や自治体などに聞き取りを進めるという。（赤田康和、中田絢子）

連合に寄せられた相談
・週末に法事で帰省したら、社長に「きっと新型コロナに感染しているに違いない。もうクビだ。二度と来るな」などと一方的に言われ、除菌スプレーを吹き付けられた（パートタイマーの女性）

・娘が感染したことを理由に、自宅待機を余儀なくされた。検査結果が陰性で、有給休暇を取得後に職場に行くと、上司から始末書を書けと言われた（NPO法人勤務の女性）

三重県の事例
・中華料理店について、「従業員が感染している」と事実無根の投稿がツイッターにあり、20代の男女2人が名誉毀損（きそん）の疑いで書類送検された

・感染者が確認された町で、ネット掲示板に「もし小学校の誰かが感染してたら（感染者は）引っ越し確定やな。投石どころではすまない」と投稿があった

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