【研究】わずかな精子で顕微授精成功　「無精子症」男性の負担軽減に期待

3個の精子を尾部からピペット（右）で吸引する様子＝セントマザー産婦人科医院提供

吸引ピペット内の3個の精子＝セントマザー産婦人科医院提供

少数の精子を凍結する田中温院長＝セントマザー産婦人科医院提供

　男性不妊の治療で、精液から採取した3個以下のわずかな精子を傷つけずに採取、凍結し、顕微授精で14人の子どもが生まれたと、セントマザー産婦人科医院（北九州市）の田中温（あつし）院長らの研究チームが欧州産科婦人科学会誌で発表した。精液中に十分な精子がない「無精子症」と診断された男性は精巣を切開して精子を取り出すことが多い。今回の手法は、体への負担の少ない治療法の普及につながると期待される。

　無精子症の男性の中には、精液を遠心分離機にかけると、ごくわずかの精子が見つかることがある。しかし数は少ないため、採取、凍結するのは技術的に難しかった。世界保健機関（WHO）によると、正常な人の場合、射精精液中の精子総数の下限基準値は3900万個という。

　チームは、無精子症の男性28人の精液からそれぞれ1～3個の精子を採取。微量の液体を吸い上げる道具「ピペット」の奥に入り込むなどして傷つけることを防ぐため、精子の尾部から吸い上げる工夫をした。

　精子の凍結保存には、一般的な油脂が主成分のグリセロールではなく、糖の一種のスクロースを用いた。精子の細胞膜へのダメージを考慮すると、少数の精子の保存にはスクロースが適していると判断した。

　これらの精子を融解した後の生存率は87・1％で、2011年9月～18年12月に顕微授精により夫婦11組に14人の子どもが生まれた。最長7年の追跡調査では、自然妊娠で生まれた子どもと比べて身体、認知機能に問題はないとしている。

　また、無精子症の約8割は、精巣を切開して精子を採取するしかない「非閉塞（へいそく）性無精子症」が占めるが、精子が少なかったり、動きが弱かったりするため、精子を凍結保存し、融解した場合の生存率は低い。採取のために手術を繰り返す男性も少なくないという。

　研究チームは別途、非閉塞性無精子症の男性20人を対象に、精巣を切開して採取した10個以下の精子を同じ手法で採取、凍結。生存率は60・5％だった。

　これらの結果から田中院長は「わずかな精子を凍結できる（今回の）手法が広まれば、手術が最小限で済むようになる」と話す。【岩崎歩】

毎日新聞2020年6月4日 16時21分(最終更新 6月6日 11時31分)
https://mainichi.jp/articles/20200604/k00/00m/040/200000c?inb=ra

シコ　シコシコ　シシココココココ！

もっとエ口いおかずだったら大量に出るのに、外では嫁が怖い顔して待っているので
精子の出が悪くなるのは、どうしても仕方ないよ　（´・ω・`）