ここにきてバイク業界が復活！「電車よりバイクのほうがコロナリスクが低い」とPCX・ADV150・ハンターカブなどがバカ売れ

国内の二輪車販売が堅調だ。2019年度の国内出荷台数は33万1千台と前年比で1%減ったが、3月は7%増の
3万6800台で同月としては3年ぶりに前年を超えた。19年10月の消費増税後から四輪車販売が落ち込む一方、
二輪車は個人需要を中心に復調した形。

新型コロナウイルスの感染予防で公共交通機関を避ける動きも追い風となる。ただ外出自粛の影響が大きくなると、
一時的な持ち直しとなる可能性もある。

日本自動車工業会（自工会）がまとめた国内二輪4社の3月の二輪出荷台数は前年比7.3%増の3万6847台で、
2カ月連続で前年同月を上回った。全国軽自動車協会連合会（全軽自協）がまとめた排気量251cc以上の
中大型バイクの販売も、5198台と2.6%増となった。

19年度は消費増税後の販売の落ち込みで前年比1.1%減の33万1156台だった。下落幅が大きかったのが
排気量50cc以下の原付きバイクで、6.4%減の12万9022台。8年連続の減少と原付き離れに歯止めがかからない。
一方原付き以外の51cc以上は特に中大型バイクがけん引し、2.6%増の20万2134台と3年連続で増えた。

四輪車は日本自動車販売協会連合会（自販連）と全軽自協がまとめた4月の新車販売台数（軽自動車含む）で
前年同月比28.6%減の27万393台だった。消費増税の影響から抜け出せないところをコロナが直撃し7カ月連続の
マイナスに。一方で二輪車は需要の底堅さが目立っている。

ホンダは「コミューター」と呼ばれる小型バイクを中心に好調。排気量125ccのスクーター「PCX」の3月の
出荷台数が前年同月比3割増の2300台と大幅に増えたほか、2月に発売した「ADV150」も人気で2200台の
受注残を抱えるという。

ホンダの3月の販売台数は前年比2割強増となる1万9843台となった。市場全体で縮小傾向にある原付き
バイクでも13.6%増えた。ホンダの販売子会社、ホンダモーターサイクルジャパン（東京・北）は「新型コロナで
感染リスクを減らすために公共交通機関を避けてバイクを選ぶ人が増えている」という。

ホンダが3月20日に発表した新型の小型バイク「CT125・ハンターカブ」は6月末に発売予定だが、
既に年間販売計画の8千台に近い受注が入るなど好調だ。

ヤマハ発動機でも小型スクーター「アクシスZ」など小型車を中心に販売は堅調で、ヤマハ発動機販売は
「足元では需要は落ちていない」と話す。ただ直近では、緊急事態宣言を受けての外出自粛により
「販売店への来店客が減少している」（都内の二輪販売店）との声も聞こえるなど不透明感が漂う。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO59585000W0A520C2XA0000/