【中央日報】元朝日新聞記者、成川彩の『日本覗き見』･･･アベノマスクは無駄金、苦しいコロナ対策

日本政府は一世帯に対し、2枚の布マスクを配った。それも安倍晋三首相が使っている小さなマスクだ。国民は安倍政権の経済政策である『アベノミクス』をもじり、『アベノマスク』と呼んでいる。 一世帯に対し2枚、それも布マスクを一回配布することでいかほどの防疫に役立つのかは疑問である。 さらに466億円（約5350億ウォン）もの予算を投入したのだ。医師や看護師が相次いで感染したという報道が出ているが、そのお金で医療現場に必要なマスクや防護服を買った方が良くはないか。

韓国にいる私にできることはないだろうか。マスクは海外に送ることに制限があって難しく、防護服を捜すとオンラインでの購入が可能らしい。もちろん多くは買えないが、数十点だけでも送ってみようかと。そうし思っているということを周囲に話すと、偶然にも知人の家族が防護服を輸出する会社を経営しているとのこと。それなら大量に送った方が良いと思った。

大阪市内の病院に勤める友人に連絡すると、やはり「防護服はかなり不足している」という返事が来た。ところが友人が病院側に問い合わすと、「日本の基準に合っているのか知りたい」、「どういう会社なのか知りたい」ばど、多くの情報を追加で求めてきた。結局十日経ってから、「大阪は状況が少しずつ良くなっていて、今は大丈夫らしい」という連絡が来た。

防護服の伝達を最初に提案した時、大阪は感染者が急増していた。買わないという判断に十日も掛かるのを見て、国家レベルでも病院レベルでも対応がかなり遅いことが分かった。

韓国の報道を見れば、韓国政府が検査キットを日本に提供する場合、日本政府はまず性能の評価をするという立場らしい。私が経験したことに似ている。防護服も検査キットも韓国で既に検証を受けていると見ても良いと思うが、まさに緊急事態である今、平常時に踏むべき手続きはできるだけ簡略化して動くべきではないのか。 命が係わる問題なのに、そのような危機感が見えないのはなぜだろうか。

一部の責任は安倍首相にあると思う。安倍首相が去る4月12日に、SNSに投稿した動画を見て驚愕した。自宅ソファーに座って犬を撫でたり、読書をする余裕の姿である。外出の自制を求める意図は分かるが、緊急事態の中で家で過ごさなければならないのは一般の人々だ。首相は休まず動いても時間が足りないくらい、忙しくなければならない。その上夫人の昭恵女史が花見に続いて団体旅行に行ったことが判明し、さらに説得力がないように見えた。

■ SNSに並んだ『売国奴』･･･日本にコメント部隊？

（写真）

▲ 韓国で『公的マスク5部制』が施行された去る3月、市民がマスクを購入するためにソウル 鍾路区（チョンログ）にある某薬局前に長く並んでいる（写真左側）。5部制施行から2か月経った最近では、並ばなくてもマスクを容易に購入することができる。

>>3あたりにつづく

韓国では、連日真剣な表情でコロナ19の現況を発表する鄭銀敬（チョン・ウンギョン）中央防疫対策本部長の姿だけを見ても、最善を尽くしているので信頼が持てるようになった。2011年の東日本大地震の時を思い出す。巨大な地震と津波の被害に加えて原子力発電所の事故まで起き、日本政府は昼夜を問わず対応する必要があった。 枝野幸男官房長官（当時）は日増しに疲れて行くっ様子だった。彼は1日に1～2時間しか眠れなかったという。対応は良かったわけではないが、少なくとも努力する姿は見えた。

韓国をある程度知っている日本の友人の間では、今回のコロナ19の対応が普通に知っている日本、韓国とは異なっているという話が出ている。日本の友人によれば、韓国人は普段は『ケンチャナ（大丈夫）』という感じの大胆なスタイルで、政府が統制してもあまり従わないというイメージがあり、逆に日本の人々は些細なことにも気を使い、政府の指針に従うイメージがあったらしい。ところが今回は正反対だった。韓国の人々は初期から積極的に防疫に協調した一方、日本人は何を根拠にしたのかあまり気にせず過ごし、取り返しがつかないほど深刻な状態になってしまった。

個人的には、韓国が初期から徹底的に検査をして感染者を探しているのを見て、日本は危ないと感じていた。東京オリンピックのために検査をあまりせず、感染者がいないように振舞っているのは明らかだった。ところが韓国で感染者が急増している中で私がそのように主張すると、「また韓国側に立っている」などの批判をされそうで黙っていた。今考えると後悔している。小さな声でも出すべきだった。

実際に、自宅隔離中に高陽市（コヤンシ）から送られれきた食べ物などの支援品の写真をSNSに投稿すると、コメントの中に「韓国に帰化してください、「二度と日本に入って来るな、売国奴新聞記者さん」というコメントがあった。前にも慰安婦のドキュメンタリー映画の記事を書いた時、『売国奴』というコメントを見たが、予想していた反応のため気分も害せず大して驚かなかった。ところが単なる支援品を受けただけなのに、このような反応があるとは。

最近、日本の外務省の予算に『我が国の状況や取組に関する情報発信の拡充』という項目に24億円（約275億ウォン）を投入するという報道を見た。趣旨は「感染症を巡る否定的な対日認識を無くすため、外務省や在外公館でSNSなどのインターネットを通じ、我が国の状況や対処に対する情報発信を拡充する」というのである。韓国女優のシム・ウンギョンが主演の日本映画『新聞記者』にも、日本の国家予算で動く、いわゆるデッグル（書き込み）部隊が登場した。本当にそんなのがあるのかと思ったが、私のSNSに寄せられたコメントもそうなのかも知れないという考えが浮かんだ。

コロナ19に関する韓国の情報が欲しいという依頼も多い反面、『韓国を称賛した=日本を蔑視した』と受け取って攻撃する幼稚な反応もある。 何が日本のためなのか、誰が売国奴なのか。

韓国と日本のコロナ19対応を比較すると、日本は反省すべき部分が数多くあるはずだ。手遅れだが、後悔しないように情報を共有しようとしている。
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成川彩（ナリカワ・アヤ）元朝日新聞記者
2008~2017年に日本の朝日新聞で主に文化部の記者として活動した後、東国（トングク）大学校・映画映像学科修士課程に留学。韓国映画にはまって韓国で映画を学び、フリーとなって日本（朝日新聞GLOBE+ など）の多くのメディアに映画関連のコラムを執筆中である。

･･･おしまい☆

解散

会食した高官が「アイブロウでキリリと眉を描いてきてた」には笑った
肝心のなに喋ったかが全く書かれておらず、笑ってはいけないソウル支局24時だったのが容易に想像できる

中国系がマスクの流通止めてるって話やっぱマジだわ