【社会】マスクはケースもバカ売れ中 製造追いつかずメーカー悲鳴

マスクはケースもバカ売れ中 製造追いつかずメーカー悲鳴
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/272806

　新型コロナウイルスの感染者が急増している香港で、マスクを収納して持ち歩ける「マスクケース」が売れている。

　香港では３月29日から公共の場での５人以上の集まりが禁止されており、違反者には禁固刑を含む罰則もあり得る。スポーツジムや劇場は閉鎖され、飲食店は席の半分を空けた上でテーブル間を1.5メートル以上離すよう、政府が要請している。さらには禁酒令も検討中。そういうこともあり、街中には人がほとんどいない。

「ところが人が集まっている一角があったんです」

　こう言うのは、香港在住の日本人。何だろうと見に行くと、ダンボールにマスクケースが山盛りになっており、おばちゃんが売りまくっていたそうだ。

「子供向けなのか、日本の人気キャラクターものもありました。安いものだと日本円で100円以下。高くても300円もしない。私はクリアファイルをマスクケースにしていたので買いませんでしたが、安いですし、何個も買っている人もいましたよ」

　日本ではどうか？ 今年創業50年を迎えた、プラスチック製品の製造卸・販売などをする「伊勢藤（いせとう）」に聞くと、やはり日本でもマスクケースが売れまくっているという。

「弊社では３年前にプラスチック製のマスクケースを開発し、販売しております。これまでは花粉症やインフルエンザの時期の季節商品でしたが、マスクが手に入りづらくなった今年１月からは、マスクを使い捨てにできないからと、清潔に保管できるマスクケースをお買い求めになる方が増えた。24時間体制で製造しているものの追いつかず、今受注を受けても納品できるのが７月くらいです。新たな設備投資をするので、その期間が少し早まるかどうかというところです」（代表取締役の伊藤剛氏）

　日本国内に供給を行き渡らせるだけでもてんてこ舞いの状況に加え、最近ではSNSを通して、香港から「直接買いたい」という声が殺到しているという。

「企業もいれば、個人もいます。弊社では、特に外国に対しては直接ユーザーに販売しているわけではないのですが……。中国や台湾からは問い合わせが殺到しているわけではないのに、なぜ香港からこんなに問い合わせが来ているのか。私たちも理由は分かりません」（伊藤さん）

　香港でトイレットペーパーの買い占めが横行したしばらく後に、日本でも同様の現象が起こった。今度はどうなることか。くれぐれも買い占めはしないことだ……と言っても、国内でマスクケースはすでに品薄状態ではあるのだが。