- 1 : 2020/04/27(月) 21:00:04.014 ID:ZR7Bqx5/0
- <屋上>
ヒュゥゥゥゥゥ…
男「下らん……」
男「薄汚れた人間ばかり……こんな世界ならいっそ……」
闇ギャル「あんた、もしかして死ぬつもり?」
男「! なんだお前は……」
闇ギャル「どうせ死ぬんならさ、あーしと一緒に悪魔召喚しない?」
男(なんだこいつは……!?)
- 2 : 2020/04/27(月) 21:03:28.117 ID:ZR7Bqx5/0
- 男「悪魔を召喚だと……?」
闇ギャル「あーしさ、ちょっと黒魔術に凝っててー。ちょっと友達と勉強してんだけどー」
闇ギャル「ちょっと悪魔を召喚しよっかなーとか思ってー」
男「ちょっとが多い」
男(なんなんだ、このバカ女は……)
男「悪いが、お前などに付き合うつもりは……」
闇ギャル「ま、いいじゃない! さ、行こ行こ!」グイッ
男「お、おいっ!」
- 3 : 2020/04/27(月) 21:06:19.496 ID:ZR7Bqx5/0
- 男「召喚って……どうやるつもりなんだ?」
闇ギャル「えーとねー」
闇ギャル「魔法陣描いてー、動物の肉と生き血と骨があればできるんだって!」
男「……で、それはもう調達したのか?」
闇ギャル「んー、これから!」
男「どうやって調達するつもりだ?」
闇ギャル「んーと……スーパーで!」
男「は……?」
- 4 : 2020/04/27(月) 21:09:28.319 ID:ZR7Bqx5/0
- <スーパー>
闇ギャル「動物の肉は……豚肉でいっか!」
闇ギャル「生き血は……ケチャップで代用!」
闇ギャル「骨はフライドチキンの骨でいーかなぁ」
男「お前は悪魔をナメてるのか……」
闇ギャル「えー、全然ナメてないってー! マジ真剣だから!」
男「はぁ……」
- 5 : 2020/04/27(月) 21:11:11.116 ID:cnAT7eQ3r
- 予想以上にバカだった
- 6 : 2020/04/27(月) 21:12:49.040 ID:ZR7Bqx5/0
- 男「……ん」
少年「へへへ……」コソコソ
男(あの小僧、盗みを働いてるな……。盗まなきゃ生きていけないというわけでもなかろうに……)
闇ギャル「コラーッ!」
少年「わっ!」
男「え」
- 7 : 2020/04/27(月) 21:14:35.286 ID:ZR7Bqx5/0
- 闇ギャル「万引きなんかしちゃダメっしょー!」
少年「うう……」
闇ギャル「お店の人に迷惑かかるしー、あんたも絶対後悔するから!」
闇ギャル「ね? だから商品戻そ?」
少年「……うん」
男(ほう……)
- 8 : 2020/04/27(月) 21:15:54.261 ID:83xl98kW0
- 見所あるな
- 9 : 2020/04/27(月) 21:17:27.852 ID:ZR7Bqx5/0
- 買い物を終えた二人――
闇ギャル「買っちゃった、買っちゃった」
闇ギャル「んじゃ、一緒に悪魔召喚しようねー!」
男「……うむ」
幼女「ワーイワーイ!」タタタッ
男(あの小娘、死相が見える……)
- 10 : 2020/04/27(月) 21:20:32.146 ID:ZR7Bqx5/0
- 幼女「あっちいこうっと!」タタタッ
ブロロロロロ…
幼女「えっ!」
「女の子が車道に!」 「車が来てんぞ!」 「轢かれちまう!」
男(死んだな……)
闇ギャル「あーしが助けるッ!」タタタッ
男「……は!?」
男「ちっ、バカが!」
- 11 : 2020/04/27(月) 21:24:11.556 ID:ZR7Bqx5/0
- 闇ギャル「あぶなーいっ!」
幼女「きゃっ!」
運転手「うわぁっ!?」
ギュルルルルッ! ブロロロロロ…
運転手「俺……運転の天才なのかも……」
「すげえ!」 「車が神回避した!」 「動画撮っときゃよかったー!」
- 12 : 2020/04/27(月) 21:26:17.460 ID:ZR7Bqx5/0
- 闇ギャル「あー、助かってよかったー!」
男「助かったからよかったものの、あんな飛び出し方しやがって……」
男「お前、命がいらないのか!?」
闇ギャル「んー……」
闇ギャル「うん、あんまり!」
男「……」
- 13 : 2020/04/27(月) 21:30:14.785 ID:ZR7Bqx5/0
- 男「!」ピクッ
男(また死の臭いが……)
闇ギャル「あーっ! ビルの上! 人がいる!」
会社員「死のう……」
男「あそこから飛び降りるつもりか……」
闇ギャル「あーしがクッションになる!」ダッ
男「なにい!?」
- 14 : 2020/04/27(月) 21:33:24.208 ID:ZR7Bqx5/0
- 会社員「でやっ!」バッ
ヒュゥゥゥゥゥ…
闇ギャル「……」タタタッ
会社員「うわっ、下に女の子が――!?」
フワッ…
会社員「あれ? 体がふわっとなって……」フワフワ
会社員「着地しちゃった」スタッ
闇ギャル「えー、超スゴイ! おじさん、もしかして超能力者!? 鶴仙流!?」
会社員「いや……」
男「……」
- 15 : 2020/04/27(月) 21:36:28.938 ID:ZR7Bqx5/0
- 闇ギャル「おじさん、なんで自殺しようと思ったわけー?」
会社員「会社を……リストラされて……」
闇ギャル「リストラー? 聞いたことある!」
闇ギャル「リスとかトラとか、そんな動物に負けちゃダメだってー!」
男(お前はウマとシカだよ)
闇ギャル「自殺なんかしないで! 頑張ってよ! あーし、応援してっからー!」
会社員「ありがとう……君と話してたら、何とかなるような気がしてきたよ」
闇ギャル「でしょー!」
男(まあ……バカを見てると悩んでるのがバカバカしくなるってのはあるだろうな)
- 16 : 2020/04/27(月) 21:37:15.902 ID:cnAT7eQ3r
- 鶴仙流ワロタ
- 17 : 2020/04/27(月) 21:37:57.435 ID:DcR3FTbj0
- ほ?
- 18 : 2020/04/27(月) 21:39:28.738 ID:ZR7Bqx5/0
- <公園>
男「……」
男「お前はなんなんだ?」
男「さっきから無謀な人助けを繰り返して……」
男「悪魔を呼び出して、何がしたいんだ?」
闇ギャル「んー、あーしさ、世の中にもっと明るくなって欲しいんだよね」
闇ギャル「だから悪魔を呼び出したいの!」
男「……さっぱり分からん」
- 19 : 2020/04/27(月) 21:42:28.244 ID:ZR7Bqx5/0
- 男「そんなに世の中を明るくしたいなら、天使でも呼び出してみたらどうだ」
闇ギャル「天使は……嫌いなの」
男「なんで?」
闇ギャル「あーしのパパとママね、天使を崇拝する、ある教団の信者だったの」
闇ギャル「天使を崇拝して、世の中明るくしましょー、的な。その教え自体はすっごく好きだった」
闇ギャル「だけど、その教団は単なるサギ集団でさー。あ、サギっつっても鳥じゃないよ」
男「分かるわ」
- 20 : 2020/04/27(月) 21:45:44.218 ID:ZR7Bqx5/0
- 闇ギャル「上の連中はみんな捕まって、あーしのパパとママは絶望して……」
男「絶望して?」
闇ギャル「死んじゃったの」
男「……そうか」
闇ギャル「世の中明るくなるどころか、お先真っ暗だもん! 超ウケるー!」
闇ギャル「だから、あんまし天使は好きじゃないの」
男「トラウマというやつか」
闇ギャル「そそ、トラとウマ! ガオーン! ヒョヒョーン!」
男「ガオーンはいいがヒョヒョーンってなんだよ」
- 21 : 2020/04/27(月) 21:47:02.024 ID:DcR3FTbj0
- 泣けるゎ。。。
- 22 : 2020/04/27(月) 21:48:30.651 ID:ZR7Bqx5/0
- 闇ギャル「それに神様や天使って、きっと忙しいから。色んな人に頼られてて」
闇ギャル「あーしなんかに時間割いてる余裕なんかないと思うんだよね」
男「まあ、そうかもな」
闇ギャル「だけど悪魔なら、きっと暇してるだろうし」
男「ひどい言い草だな」
闇ギャル「悪魔って魂さえ差し出せば、なんだって願い叶えてくれるでしょ?」
闇ギャル「だから呼び出すの! 呼び出して、もっと世の中明るくしてって頼むの!」
- 23 : 2020/04/27(月) 21:51:18.623 ID:ZR7Bqx5/0
- 男「ちゃんと悪魔を呼び出せたとして……」
男「お前の命一つで、世の中が明るくなると? どんだけ自分を高く見積もってるんだ」
闇ギャル「んー、国家予算ぐらい!」
男「お前、国家予算がいくらか知ってるのか?」
闇ギャル「100万円ぐらい?」
男「頭痛くなってきた……」
闇ギャル「え、バファリン飲むー?」
男「いらん」
- 24 : 2020/04/27(月) 21:53:04.375 ID:cnAT7eQ3r
- じゃあパブロン
- 25 : 2020/04/27(月) 21:54:05.737 ID:ZR7Bqx5/0
- 男「だったら……もう好きなようにしろ」
闇ギャル「えー?」
男「やってみろ、悪魔召喚を」
闇ギャル「うん!」
闇ギャル「んじゃ、あーしんち行こ!」グイッ
男「分かったから引っぱるな!」
- 26 : 2020/04/27(月) 21:57:29.071 ID:ZR7Bqx5/0
- <ギャルの家>
男「魔法陣はもう描いていたのか」
闇ギャル「うん!」
男(思ったよりよく描けてはいるな。美術的センスはあるようだ)
闇ギャル「えーっと、お供え物して。この肉はそっち置いて」
男「……はいはい」
闇ギャル「はいは三回!」
男「悪かったよ……え、三回!?」
- 27 : 2020/04/27(月) 22:00:22.663 ID:ZR7Bqx5/0
- 闇ギャル「マークアマークア、ルービデルービデ……」
男「……」
闇ギャル「出でよ、悪魔ーっ!!!」
シーン…
闇ギャル「あれー? 失敗?」
男(そりゃそうだ)
- 28 : 2020/04/27(月) 22:04:16.280 ID:ZR7Bqx5/0
- 闇ギャル「はぁー、ダメだったか……」
男「まあ、そう落ち込むな――」
闇ギャル「よっしゃ、切り替えていこ!」シャキーンッ
男「!?」
闇ギャル「なんかいった?」
男「いや……励まそうと思った俺がバカだった」
闇ギャル「キャハハ、あんたもバカだった!」
男「うるさい」
闇ギャル「そうと決まれば、また外を散歩でもしよっかー!」
男「せわしい奴だ」
- 29 : 2020/04/27(月) 22:08:04.613 ID:ZR7Bqx5/0
- 闇ギャル「悪魔♪ 悪魔♪ 悪魔はどっこにいるの~♪ きっとトイレの中~♪」
男「変な歌を歌うな」
男「……」ピクッ
闇ギャル「どったの?」
男「邪気を感じる……」
闇ギャル「ジャギ? あーしの名をいってみろ?」
男「邪気だ!」
男「この近くに……本当に悪魔を召喚しようとしてる者がいる」
闇ギャル「……えぇ~!?」
- 30 : 2020/04/27(月) 22:12:17.529 ID:ZR7Bqx5/0
- <雑木林>
眼鏡女「うふふ……」
眼鏡女「車にひき逃げされて動かない猫と……私の生き血と……家から持ってきたおじいちゃんの遺骨」
眼鏡女「これで材料は揃ったはず……」
男「……あの女だな。お前と同じような儀式をするようだ」
闇ギャル「あれは……あーしの友達!」
男「なんだと?」
闇ギャル「止めなきゃ!」
男「他人が召喚するのは止めるのかよ」
- 31 : 2020/04/27(月) 22:12:53.926 ID:wN6hxhvDr
- ほう
- 32 : 2020/04/27(月) 22:15:13.498 ID:ZR7Bqx5/0
- 闇ギャル「ダメーッ!」タタタッ
眼鏡女「あ、ギャルちゃん……」
闇ギャル「ダメだよ! あんたは悪魔召喚なんかしちゃ!」
眼鏡女「止めないで……」
眼鏡女「ギャルちゃんだけは……友達でいてくれたけど……」
眼鏡女「やっぱり私、何やってもダメで……みんなにバカにされて……きっとこれからもそう……」
眼鏡女「だから……悪魔を呼び出すの! 呼び出して……とびきりの女にしてもらう!」
闇ギャル「眼鏡ちゃん……!」
- 33 : 2020/04/27(月) 22:18:02.487 ID:ZR7Bqx5/0
- 眼鏡女「マークアマークア、ルービデルービデ……」
眼鏡女「出でよ、悪魔……!」
ズオオオオオオオ…
闇ギャル「眼鏡ちゃ……」
男「もう遅い……出てくるぞ。離れろ」
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