猫エサ買いに行くからのオススメ教えろ

https://mainichi.jp/articles/20201129/ddl/k07/040/046000c

宮城県丸森町・猫碑　養蚕と密接な関わり　花こう岩の産地も関係か

宮城県丸森町には猫の姿を彫った石碑が数多くある。「猫神さまの町」として猫好きの人々に知られ、猫碑を巡るツアーも実施されるほどだ。なぜ多くの猫碑が建てられたのか。理由を探ってみた。【藤田花】

　町の中心部にある細内観音堂。小さなほこらの左側にポツポツと並んだ約１０基の石碑に目を向けると、ちょこんと座った猫がすました顔でこちらを見つめていた。

　宮城県内で発見された猫碑は１２４基で、丸森町には半数を超える８１基が存在する。全国の石碑について研究する村田町歴史みらい館（宮城県村田町）専門員の石黒伸一朗さん（６２）によると、その数は日本一だという。

　町内に点在する猫碑の姿はさまざまだ。ぴんと背筋を伸ばしていたり、眠そうに丸まっていたり、顔をなでるように前脚を上げていたり－－。石に猫の絵が彫ってあるものがほとんどだが、中には猫をかたどっていたり、「猫供養」「猫神」と文字だけ彫られていたりするものもある。

　猫碑が多く作られた背景には、養蚕との密接な関わりがある。石黒さんによると、江戸時代から養蚕業が盛んだった丸森町では、多くの農家が蚕をかじるネズミを追い払うために猫を飼っていた。

　日本では古くから、生き物の命を平等に扱う考え方が根付き、動物も供養の対象にしてきた。「蚕を守ってくれる飼い猫を大切にし、死んだ時には石碑を建てて供養する風習が丸森にも存在した」。中には猫を神格化し、「猫神」としてネズミ除（よ）けや繭の豊作を祈願するために作られたと考えられるものもあるという。

　しかし、同じく養蚕業で知られた長野県（１５基）や、群馬県（２基）などと比べ、丸森町に突出して多いのはなぜか。

　その理由ははっきりしないが、墓石などに使われる花こう岩の産地であることも関係しそうだ。町内には２０００を超える石碑があり、猫だけでなく馬や蛇、鶴などの供養碑も見つかっている。石黒さんは「ありがたい動物が死んで供養する際、石碑を建てる文化が定着していたのでは」と推測した。

　町観光案内所は、県内外から訪れる観光客が気軽に散策できるようにと猫碑マップを作った。旅行会社も猫碑ツアーを企画し、直売所では猫をモチーフにした菓子やピンバッジなどのグッズも販売。町観光案内所の富倉昌子さんは「猫ブームにあやかって町おこしができたら」と話し、猫碑をきっかけに観光客が継続的に町を訪れることを期待する

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