吉野家おなじみのオレンジ→白に　条例に合わせ看板改修　伊豆の国市長が感謝状

静岡県伊豆の国市は市屋外広告物条例に合わせて看板を改修した38事業所への感謝状贈呈を決めた。小野登志子市長が19日、5事業所を訪れて感謝状を手渡した。韮山反射炉の世界文化遺産登録をきっかけに景観保全の機運が高まっており、市は2017年4月1日に県条例よりも厳しい条例を施行した。

　条例で既存の看板が不適格となった83事業所に20年3月末までの改修を求めていた。規制は地域によって異なる。最も厳しい反射炉周辺は、①看板の高さが5メートル以下②看板1点の面積が4平方メートル以内③敷地内の看板が3点以内で合計10平方メートル以内――などとなっている。改修への補助金はなく、費用は事業者の持ち出し。感謝状の贈呈は協力してくれた事業者に感謝の気持ちを表すとともに、景観への意識を高めてもらうことが狙いだ。

　市内の南條にある吉野家136号線伊豆長岡店は電柱よりも高かった看板を低くし、吉野家おなじみのオレンジ色を看板から消した。同様の変更は岐阜県高山市や名古屋市で例があるという。感謝状を受け取った中日本吉野家の辻貴光エリアマネジャーは県内初の対応と明かし、「地域密着のため、地元の要望に応えた」と説明した。【石川宏】

毎日新聞2020年11月20日 06時00分(最終更新 11月20日 08時08分)
https://mainichi.jp/articles/20201119/k00/00m/040/367000c