男「仕事行くのめんどくせえ……」代行業者「あなたのお仕事代行しましょうか」

1 : 2020/10/01(木) 18:15:09.371 ID:K57RS2s50
男「……」ゴロゴロ

男「あー……仕事行くのめんどくせえ。ずっとゴロゴロしてたい」

業者「でしたら、あなたのお仕事……代行しましょうか」

男「代行?」

業者「ようするに、あなたの代わりに会社に行って仕事をするということです」

男「へぇ~、そんなサービスができたんだ。だったらよろしく頼むよ」

業者「かしこまりました」

2 : 2020/10/01(木) 18:17:32.456 ID:j1r5OvWfd
いやいきなり自宅に現れたらびびるだろ
3 : 2020/10/01(木) 18:18:05.469 ID:Pu9k9t1ca
喪黒福造スレ
4 : 2020/10/01(木) 18:20:27.634 ID:K57RS2s50
業者「代行終わりました」

男「ご苦労さん」

男「引き継ぎもせず、突然代行させる形になったけど、大丈夫だった?」

業者「もちろんです。私もプロですから」

男「そりゃよかった」

業者「では私はこれで」

5 : 2020/10/01(木) 18:20:33.520 ID:FA7D1W000
続きはよ
6 : 2020/10/01(木) 18:23:30.425 ID:K57RS2s50
男「飲み会めんどくせえなぁ……」

男「酔っ払った奴に絡まれたり、上司に酌させられたり、どうもあのノリが苦手だ」

業者「それでしたら、飲み会を代行しましょうか?」

男「またあんたか。仕事だけじゃなく、飲み会まで代行してくれるの?」

業者「ええ、ご希望とあらば」

男「だったら俺の代わりに出席してくれ」

業者「かしこまりました」

7 : 2020/10/01(木) 18:26:14.616 ID:K57RS2s50
業者「戻り……ました……」フラフラ

男「お疲れ、結構飲んだみたいだね」

業者「ええ……代行なのではりきって飲みました」

男「帰りはどうやって帰ってきたの? 徒歩?」

業者「運転代行に頼みました」

男「代行業者が代行してもらったわけか、アハハ」

業者「面目ありません……」

8 : 2020/10/01(木) 18:26:42.736 ID:zCbECiUo0
代行の費用高そう
9 : 2020/10/01(木) 18:27:59.642 ID:QKjmeRcKr
とんでもない額請求されて支払代行してもらうオチ?
10 : 2020/10/01(木) 18:30:13.520 ID:K57RS2s50
男「連休か……」

業者「久々の大型連休ですね」

男「どこか旅行でも行きたいけど……ゴロゴロしてたい気持ちのが大きいな。だけど行かなきゃ後悔しそう……」

業者「でしたら、代行して旅行に行ってきましょうか?」

男「え、マジ? そうしてくれる?」

業者「ええ、土産話をいっぱい持ってきます」

男「楽しみにしてるよ!」

11 : 2020/10/01(木) 18:30:48.248 ID:WOH1ALOsr
ほう
12 : 2020/10/01(木) 18:34:06.078 ID:K57RS2s50
業者「戻りました」

男「お帰り、旅行はどうだった?」

業者「はい、とても楽しかったです」

男「どこに行ったの?」

業者「まずは、お寺巡りをしまして、それから温泉街に……夜は地酒のある居酒屋へ……」

男「ふむふむ、なかなかいいチョイスだ」

13 : 2020/10/01(木) 18:37:58.305 ID:K57RS2s50
男「俺もいい年だ……そろそろ彼女作らないとなぁ~」

男「だけど、恋愛経験なんてろくにないし、キツそうだなぁ」

業者「私が代行して恋人を作りましょうか」

男「え、そこまでしてくれるの?」

業者「はい、恋人に求める条件をおっしゃって下されば」

男「じゃあ……色白で、清楚で、胸が大きくて、料理が上手で……」

14 : 2020/10/01(木) 18:43:13.911 ID:K57RS2s50
業者「条件を満たす彼女を作ってきました」

女「こんにちは……得意料理はサバの味噌煮です」

男「おお~、こりゃあ美人だ。女優っていわれても信じちゃうよ」

業者「ではさっそく、デートしたらいかがです?」

男「デート、ねえ……。どこ行けばいいのかも、正直よく分からないな」

男「あの、デートの代行ってのは……」

業者「可能ですが」

男「じゃあ、代わりにデートしてきてよ。この子を楽しませてくれ」

業者「かしこまりました」

15 : 2020/10/01(木) 18:44:22.483 ID:WOH1ALOsr
無精すぎる
16 : 2020/10/01(木) 18:45:25.132 ID:042fTCX9d
喪黒福造ドーン
17 : 2020/10/01(木) 18:46:45.797 ID:K57RS2s50
男「彼女とは上手くいってる?」

業者「はい、結婚一歩手前というところまできました」

男「やるぅ」

業者「後はあなたがプロポーズするだけです」

男「プロポース、か……。なんていえばいいのかな」

業者「普通でいいんですよ、普通で」

男「……」

男「悪い! また代行してくれ!」

業者「では、代行で彼女にプロポーズします」

18 : 2020/10/01(木) 18:47:37.705 ID:goeSI43Y0
星新一であったなこんな話
19 : 2020/10/01(木) 18:49:42.183 ID:K57RS2s50
業者「プロポーズは成功しました」

女「あなたの妻になりました」

男「いやー、こんな美人を奥さんにできるとは、代行業者さんさまさまだな」

業者「後はお二人で結婚式を挙げるだけですね」

男「結婚式……」

男(どこか式場を予約したり、招待状送ったり、両親に挨拶したり……大変そうだな)

男「めんどくさいから、代行してもらえる?」

20 : 2020/10/01(木) 18:51:53.601 ID:nIn3wlTQM
なんだこれ
21 : 2020/10/01(木) 18:52:52.482 ID:K57RS2s50
女「子供が欲しいね」

業者「そうだね」

業者「というわけで、あなたと子供を作りたいそうです」

男「ああ……夫婦だし、やることはやらなきゃな」

男「でもな……腰が痛いし……。悪いんだけど、また代行で」

業者「かしこまりました」

業者「じゃあ、今夜……」

女「うん」

男「元気な俺の子を作れよー!」

22 : 2020/10/01(木) 18:55:26.727 ID:K57RS2s50
業者「妻が無事出産しました」

業者「種は私ですが、あなたの子供です」

赤子「おぎゃあ、おぎゃあ……!」

男「おお、当たり前だけど俺には似てないな」

業者「さっそく育児をなさって下さい」

男「育児も大変そうだし……代行で頼むよ!」

業者「かしこまりました」

23 : 2020/10/01(木) 18:59:29.658 ID:K57RS2s50
業者「子供もずいぶん大きくなりました」

子「パパー、どこか遊び連れてってー!」グイグイ

男「おお、よしよし。俺に育てられたわけじゃないのによく懐いてくれるな」

業者「あくまで私は父親代行ですから。本物の父親に懐くのは当然でしょう」

男「じゃあ……家族サービスも代行してもらおうかな」

業者「分かりました。遊園地にでも連れていきましょう」

子「やったーっ!」

24 : 2020/10/01(木) 19:00:46.082 ID:4tD91AIG0
男の人生とは一体
25 : 2020/10/01(木) 19:03:35.104 ID:K57RS2s50
業者「子供も大きくなり、大学を卒業しました」

男「俺の息子を立派に育ててくれてありがとう」

業者「いえいえ」

業者「さて、あとは老後の生活設計を考えなくてはいけませんね」

業者「今、私はあなたの仕事を代行していますが、その会社ももうすぐ定年ですしね」

男「老後の生活設計も代行してもらうことってできる?」

業者「もちろん可能です」

男「じゃあ、頼んだよ。完璧なプランを立ててくれ」

26 : 2020/10/01(木) 19:07:25.573 ID:K57RS2s50
男「俺も老いたな……」

業者「私もです……」

男「いつもいつも代行してくれて、ありがとう……」

業者「いえいえ、私も楽しんでましたから……」

男「しかし、死んだらどうなるんだろうなぁ……。天国とか地獄とか輪廻転生とか、めんどくさそう……」

業者「でしたら、死ぬのも代行しましょうか?」

男「そうしてくれる? 頼むよ!」

業者「かしこまりました」

27 : 2020/10/01(木) 19:09:28.278 ID:xnG9kNFjr
えっ
28 : 2020/10/01(木) 19:10:15.865 ID:K57RS2s50
男「……」

男「……」

男「……」

男「最近、あの業者さん来ないけど、どうしたんだろ?」

男「ああ……そっか。俺の代わりに死んだんだっけ」

男「……」

男「……」

男「……」

男「っていうか、なんで俺は死なないんだ?」

男「ああ……死を代行してもらったから、4ねないのか」

男「やっちまったなぁ」

29 : 2020/10/01(木) 19:12:55.833 ID:4tD91AIG0
おもろい
30 : 2020/10/01(木) 19:13:09.785 ID:K57RS2s50
男「……」

男「……」

男「……」

男「あれからどれだけ時が経ったか……」

男「俺以外の人類はあっさり滅んだ」

男「原因……忘れちまった。きっと記憶に残らないほど、下らない理由だったに違いない」

31 : 2020/10/01(木) 19:13:43.034 ID:vGKdTIFM0
まさかの展開
32 : 2020/10/01(木) 19:15:51.936 ID:K57RS2s50
男「……」

男「……」

男「……」

男「……」

男「……」

男「地球もなくなった」

男「膨張した太陽に呑み込まれちまったんだ」

男「その太陽も……自壊するか、他の星に呑まれるかして、消えちまった」

33 : 2020/10/01(木) 19:17:53.787 ID:K57RS2s50
男「……」

男「……」

男「……」

男「……」

男「……」

男「ついに宇宙が終焉の時を迎えた」

男「今、俺は……“無”の中を漂ってる。気分は悪くない。退屈だけど」

コメント

タイトルとURLをコピーしました