すぐヤレる女の特徴

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家の中で　だれにも言えなかった、１３歳から私は

今月掲載した「子どもへの性暴力」第２部では、家庭内での性暴力について取り上げました。身近な人からの被害は、より深刻な影響を残すと言われています。被害にあったときにどうすればいいのか。義父から４度も妊娠をさせられた女性の体験とともに、被害者の相談窓口や法制度の現状、課題をお伝えします。
■勇気を出して声を上げて、あなたは一人じゃない
《あのときの自分は全てを諦めていたんだなといまは思います。「助けを求めてもだれも私の話など信じてくれない」と。》
殺人と死体遺棄の罪で懲役４年の刑に服している女性（３３）は手紙にそう心情をつづる。
新潟県で暮らしていた女性は１３歳のときから、母の再婚相手の義父（７０）に性暴力を受けた。法廷での女性の証言と手紙から何が起こったかをたどった――。
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義父のアダルトビデオを興味本位で隠れて見ていると、義父に見つかり「セックスしよう」と誘われた。拒んだが、断り切れなかった。中学１年だった。それから、性交はほぼ毎日。「やめて」と伝えたが「母親にばらすぞ。やっとつかんだ母親の幸せをお前がつぶすのか」と言われた。
女性は幼いころ、飲食店で働く母にハンガーでたたかれるなど暴力を受けていた。それでも、夜中まで起きて帰りを待つほど、母のことが好きだった。「母の幸せ」という義父の言葉は響いた。だれにも言えなかった。
女性は中学２年から、カミソリの刃で指や腕を傷つけ、たばこの火を押しつける「根性焼き」などの自傷行為を繰り返すようになる。
中学３年のとき、生理が止まった。義父に相談したが、適切な対応はしてくれなかった。中学卒業後、自宅で破水した。２階の寝室で、１階にいる母に気づかれないようにひとりで出産。生まれたばかりの赤ちゃんの首を絞め、ポリ袋に入れた。１週間後、義父と近くの山に埋めに行った。
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その後も性交をやめてと訴えたが「それはできない。俺の中で、お前は女だから」と義父は言った。
１８歳と２０歳のときにも妊娠。２回とも知人の援助を得て中絶した。その際に女性と義父との関係を知った母は、酒におぼれていった。
女性は義父から外出やアルバイトを禁止され、家出をしてもすぐに連れ戻された。１９歳でパニック障害になり、精神科に通院。しかし、障害年金も義父に取り上げられた。
２６歳で４度目の妊娠。再び自宅の２階で出産した。義父に「泣く前にやってしまえや」と言われ、赤ちゃんを殺害。義父が遺棄した。
２８歳の時、ＳＮＳで知り合った女性に家を出たいと相談した。迎えに来てもらって県外の彼女の家に身を寄せた。無邪気な彼女の２人の子どもの姿を見て「きれいになってやり直したい」という気持ちがわいた。警察に自首した。
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刑務所に入ってから２年余り、記者は女性と文通を続けている。
いまでも眠れなかったり緊張したりすると、パニック発作が１日に何度も起こる。ヘルメットを作る刑務作業をしながら、性暴力についての本を読んだり、写経をしたりの日々という。
《（あのころは）考える→あきらめる→一時的に忘れる、を繰り返していたんだなって。答えを出せないまま、あきらめ続けた結果があの事件になったっていまは思います。
私はずっと親とは離れられないって思い込んでいた。（いまは）私一人でも生きられる。私の中に親はもういらないって気づけたんです。これからは自分のために生きていこうって思います。》
殺人にも死体遺棄にも関わっていないと主張した義父は最高裁まで争った末に、懲役８年が確定している。
今年に入って届いた女性からの手紙にはこうつづられていた。
《２人の赤ちゃんの命を奪うなんて最低なことをした。刑務所に入ったからといって、絶対に許されるわけないんです。》
社会に対して伝えたいことを聞くと、こんな返事が来た。
《「助けてほしい」と言うのはすごく勇気のいることです。私は運良く抜け出せた方ですが、今も苦しんでいる人がいるかもしれません。少しでも「おかしいな」と思ったら、安心できるように声をかけてあげてください。
苦しんでいる人へ。あなたが悪いのではありません。私のようにならないで。勇気を出して声を上げてください。あなたは一人じゃない。きっと助けてくれる人がいます。》